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先日、北海道大学植物園を観てきました。
冬季(2023年11月4日から2024年4月28日まで)は温室しか公開されていないのですが、それでも見ごたえありましたね。
温室を見ていて、個人的に印象に残ったのがサボテンです。
同じ植物でありながら、トゲの付いた攻撃的なルックは、独特の存在感があります。
サボテンの最大の特徴といえるこのトゲの役割は何なのでしょうか。
実はサボテンのトゲは、葉が進化したものです。
砂漠のような極端な乾燥環境では、水分の保持が至上命題です。
通常の葉は大きな表面積を持ち、水分を蒸発させやすい特性があります
葉は水分を蒸発させることで、動物が汗をかくように体温を下げます。
また、葉から水分がなくなることが、根からの水分吸収を促進し、全体の水分量の調節を行うことができます。
こうした葉の役割を蒸散作用といいます。
サボテンの場合は乾燥地帯に生息するため、水分の蒸発を抑制する必要があります。
そのため、サボテンは葉よりも表面積の少ないトゲにすることで、最低限の水分を効率的に利用しています。
トゲのもう1つの役割は、見た目通りに外敵から身を守るためです。
乾燥地帯に普通の植物があったら、すぐに動物の餌になってしまいます。
鋭いトゲが、動物の接近を防いでいます。
さて、葉の重要な役割として光合成があります。
光合成とは、植物が太陽光を利用して、二酸化炭素と水から有機物を合成する生化学的プロセスです。
サボテンの場合は、トゲではなく、茎で光合成を行っています。
サボテンの茎は一般的な植物の茎よりもかなり太いですが、これは葉がトゲになったことから、葉ではなく茎に水分を貯蔵しているためです。
このように、サボテンは過酷な乾燥環境で生き残るために、独自の進化を遂げた植物といえます。
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