
脳は場所によって役割が分かれていることはよく知られています。
この発見に大きく貢献したのがカナダの脳神経外科医のペンフィールドです。
以下のイラストと似たようなものを教科書などで見た記憶がある方も多いのではないでしょうか。

このイラストは、脳の中の運動を指令する運動野と感覚を得る感覚野において、身体の各部位がどれくらいの比率で割り当てられているかを示したものです。
頭と手が非常に大きく、足もまずまず大きいです。
それに比べて、胴体はとても小さくなっています。
大きい部分はそれだけたくさんの神経細胞が関わっていることになり、運動でいえばより細かい運動ができて、感覚はより鋭敏になります。
実際の人間の身体のバランスは、こんなに手が大きくはないし、胴体もここまで小さくはありません。
ですが、指を使った細かい作業や舌で多様な味を区別できるのも、この面積の大きさを見ると納得できます。
ペンフィールドが作ったこのような図は、ラテン語で小人を意味するホムンクルスと呼ばれています。
ホムンクルスは身体の各部位が対等に扱われているわけではないということを示唆しています。
ホムンクルスで大きな面積を持っている頭、手、足ですが、実は整体ではあまり施術されない部位ではないでしょうか。
肩や腰、腕、脚は頻繁に施術される部位ですが、頭や末端である手、足はあまり触らない先生も多いと思います。
ですが、ホムンクルスを見てみるとこうした部位は脳とのつながりが非常に深いことが分かります。
個人的には頭、手、足へのアプローチを施術に取り入れないのはとてももったいないと思います。