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イルカの打ち上げ

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2023年4月上旬に千葉県一宮町の釣ケ崎海岸で、イルカが約40頭打ち上げられるという事件がありました。

ニュースでも大きく取り上げられたのでご存じの方も多いと思います。

この打ち上げの原因について、ネットやテレビでいろいろな説が挙げられています。

今回は、イルカの打ち上げの原因について考えてみたいと思います。

目立った説は以下のようなものです。

① 水温が低くて低体温症になった

多くの専門家がこの説を挙げています。

冷たい水域に入ったために低体温症になって流されたというものです。

今回座礁したイルカはカズハゴンドウという温暖な海域に生息する種族で、海  の冷たさに身体が麻痺して座礁したというのはありえそうです。

なお、カズハゴンドウは頭がまるく一般的なイメージのイルカとはかなりデザインが違っています。

イルカとクジラには生物学的に明確な区別はないのですが、カズハゴンドウは小さいクジラという雰囲気でかわいいですね。

➁ 地震の前触れ

SNSやヤフーニュースのコメント欄で多く見られるのが大きな地震の前触れという説です。

2011年の東日本大震災の7日前に、今回と同じようにカズハゴンドウが茨城県で集団座礁していることが根拠になっているようです。

ただ、実はカズハゴンドウというイルカはもともと集団座礁しやすいイルカで、今回の打ち上げも極めて珍しい事件とまではいえません。

そのため、個人的には地震はあまり関係ないような気がします。

③ 妊娠したメスを守ろうとした

打ち上げられて死亡したイルカ6頭を解剖した国立科学博物館の田島木綿子研究主幹によると、6頭のうち5頭がメスで、そのうち2頭が妊娠していたそうです。

このことから田島研究主幹は、冷たい海水で弱った妊娠したメスを守ろうとして座礁した可能性を指摘しています。

イルカはコミュニケーション能力が高く、仲間を守ろうとしたというのはありそうです。

色々な説がありますね。

カズハゴンドウは100頭程度の群れで行動するイルカとして知られています。

巨大な群れで移動するため、リーダーが判断を間違えて群れごと海岸に向かってしまうこともあります。

今回の打ち上げの原因ははっきりとは分かりませんが、何らかの理由で弱った仲間を守ろうとして群れごと海岸に向かってしまったというのが真相のような気がします。

そのため、実際に体調を崩していた個体はそれほど多くはないのかもしれません。

サーファーの方々の救助活動もあって、約40頭のうち30頭程度は沖合に戻ることができたようです。

知能が高く社交的なイルカだからこそ、こうした集団座礁が起きるのかもしれませんね。

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