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先日のニュースで、頭の中で思い描いたイメージを生成AIで画像化する技術について取り上げていました。
この技術は、量子科学技術研究開発機構が発表したもので、類似の研究は広く行われているようですが、今回は実際に見ている映像や文字などの単純な図形ではなく、頭の中で想像したイメージを映像化できるという点が大きな特徴です。
このニュースに合わせて公開された画像を見てみると、被験者が事前に見てから思い浮かべた、ヒョウやボウリングの玉などがある程度再現されているのが分かります。
ヒョウについては、再現イメージはヒョウというよりはウマかロバのように見えますが、ボウリングの球はまずまずの再現度です。
やはり動物の顔のような複雑なデザインよりも、ボールのようなシンプルなものの方が再現度は上がるようですね。
研究チームとしては、この技術を新たな意思伝達装置の開発や、夢や幻覚を見る仕組みの解明に使いたいようです。
ですが、アイディア次第で他にもいろいろな使い道がありそうですね。
いくつかこの技術の応用法を考えてみました。
- クリエイターの表現手段として
映画やドラマでは監督や脚本家が考えているイメージがスタッフにうまく共有されていないことがあります。
この技術を使えば、監督や脚本家の表現したいイメージを具体的に映像化できるので情報の共有がしやすくなります。
また、イラストレーターや画家が道具を使わずに、自分が想像した映像を直接作品にすることもできます。
技術が安価になれば、プロのクリエイターだけでなく、同人誌などにも使うことができそうです。
アニメやゲームの開発期間の短縮もできそうですし、自分の想像力だけで簡単に映像作品を生み出すことすら可能になるかもしれません。
- 正確な目撃情報
容疑者の姿を見た目撃者が思い描いている映像をそのまま画像にすることができます。
似顔絵以上に正確な情報を得られるようになるかもしれません。
- 脳の機能のより正確な解明
例えばライオンを想像したときとヒョウを想像したときのそれぞれのパターンを比較することで、脳のどのポイントがどういう役割を持っているのかということをさらに詳しく特定することができそうです。
こうしたデータの蓄積は、認知症や脳血管障害の治療にも役立てることができるかもしれません。
- 視力の代替手段
この技術は脳の電気信号を捉えて、その反応パターンからAIが映像化するものですが、逆にカメラで撮影した映像をデータに変換して脳に送り込むことができたらどうでしょうか。
例え眼が見えなくても、カメラの映像を変換することで、眼と同じように見ることができるかもしれません。
実際にはこうした方法を実用化するには、まだまだ画像の精度が不足しているように思われます。
ですが、技術の蓄積によって、こうした使い方が可能になるかもしれません。
非常に夢のある技術だと思います。
AI 2041 人工知能が変える20年後の未来 [ カイフー・リー(李 開復) ]