ぼくは以前から建築学に興味があるのですが、理由としては建物を見るのが好きというのもありますが、身体との共通点を感じるからでもあります。
生物の身体と建築はどちらも構造体であり、重力や災害のような問題から自分を守って安定して存在し続けなければなりません。
人間の身体も構造体として考えると気づきがあります。
仏教建築に五重塔という仏塔があります。
五重塔は下から地・水・火・風・空の5つの要素に対応していて、仏教ではこの5つが世界を構成すると考えるそうです。
五重塔は日本の各地にありますが、実は五重塔は地震の多い日本でほとんど倒壊したことがありません。
その理由は現在でもはっきりとは分かっていない部分もあるようですが、五重塔の各層は緩く止められているだけで、実際は積み木を重ねた状態に近いです。
ほとんどの五重塔は、2階から上は特に部屋があるわけではなく、行き来するための階段もないそうです。
なかなか贅沢な作りですね(笑)
各層を単純に重ねた状態は、地震の時に各層が別々に揺れるので地震の力を受け流すことができます。
この「揺れることで地震の力を逃がす」という構造は、現在のタワーマンションなどの超高層建築にも生かされています。
さて、この五重塔ですが、ぼくには背骨の構造によく似ているように見えます。
人間の背骨は1本の骨ではなく、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎と仙骨、尾骨から構成されていて、五重塔のように積み木が重なった形をしています。
動物の中にはタコやイカのような明確な背骨を持たない種族もいますが、特に人間は2足歩行なので背骨は必要不可欠といえます。
ただし、2足歩行で行動することは強烈な衝撃がかかるわけで、背骨が複数の骨で構成されていることでその衝撃をうまく逃がすことができます。
肩こりや腰痛をお持ちの方は、身体を前や後ろに倒す動作が苦手なことが多いです。
これは背骨の連動がうまくいっておらず、1本の柱のようになっている状態です。
この場合、衝撃や重力をうまく逃がせず、肩や腰などに過度の負荷がかかりやすくなります。
背骨の構造をうまく生かせていない、もったいない状態といえるかもしれません。
整体では身体を揺らして整えるという施術がよく行われます。
リランテ整体院でも必ず行うアプローチです。
この理屈は流派によって様々ですが、揺らすことで背骨の連動をつくるという意味合いもあります。
このような建築と身体の共通点はまだまだあるように思いますし、引き続き研究していきたいテーマです。