※ 本ページには楽天市場のプロモーションが含まれています。
変形性膝関節症は、中高年層を中心に多く見られる関節の疾患です。
この疾患は、膝の関節軟骨が加齢や日々の使いすぎなどにより徐々にすり減っていくことで発症します。
特に、年齢や生活習慣、膝に強い負担がかかる職業の影響を受けやすいとされています。
膝の関節軟骨がすり減ると、やがて骨同士が直接擦れ合うようになり、痛みや炎症が発生します。
これは関節軟骨や半月板のような軟骨組織には神経がないのに対して、骨(特に骨を覆う骨膜)には痛覚神経が存在するためです。
骨折の経験がある方なら、骨を損傷したときの痛みは想像しやすいかと思います。
膝の痛みは日常生活に大きな支障をきたし、歩行や階段の上り下りといった動作が困難になることも少なくありません。
また、変形性膝関節症は特に中高年の女性に多く、ホルモンバランスの変化や筋力の低下が原因とされています。
これは、閉経後に女性ホルモンが減少し、骨や関節の健康を維持する力が弱まるためだと考えられています。
さて、ここで注目したいのが、O脚との関連です。
O脚は、膝が外側に向かって湾曲する状態で、両足を揃えて立った際に膝の間に隙間ができるのが特徴です。
このO脚の状態が、変形性膝関節症の発症や悪化を促進する大きな要因となることがあります。
それでは、O脚がどのように膝関節に影響を与え、変形性膝関節症と関連しているのかについて詳しく見ていきましょう。
O脚が膝に負担をかけるメカニズム
O脚は、医学的には内反膝(ないはんひざ)とも呼ばれ、両膝が外側に向かって反ってしまう形の脚の変形です。
O脚の厳密な定義は、日本整形外科学会によると、「両膝が外側に彎曲した状態で、左右の内くるぶしをそろえても、左右の膝の内側が接しないもの」となっています。
足をぴったりとつけても左右の膝が離れてしまう、イラストのような形状ですね。
通常、まっすぐ立った際に体重は膝の内側と外側の両方に均等にかかるようになっています。
しかし、O脚の場合は膝の内側に大きく負担がかかるようになり、これが膝関節の偏った摩耗を引き起こします。
O脚の状態だと、膝関節の内側にありクッションの役割を果たす内側半月板が過度に圧迫され、関節軟骨がすり減りやすくなるのです。
関節軟骨は、半月板とは別の組織で、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の端を覆う、滑らかな軟骨組織です。
この関節軟骨がすり減ってしまうと膝の骨同士が直接擦れ合い、変形性膝関節症が進行しやすくなります。
特に、O脚が進んでいる人ほど膝の内側の負担が増し、関節軟骨が早くすり減ってしまうため、変形性膝関節症のリスクが高まります。
さらに、O脚は日常の歩き方や姿勢に影響を与えるため、膝以外にも股関節や足首、さらには腰や背中、肩などにも負担がかかりやすくなります。
これが全体のバランスを崩し、他の部位にも影響を与える要因ともなっています。
O脚になる原因は、先天的な要素と後天的な要素の両方が関与しています。
以下に、O脚になる代表的な理由をいくつか挙げてみます。
O脚になる理由
・筋力の偏り
膝の周囲の筋肉がアンバランスに発達していると、O脚が進行することがあります。
特に太ももの内側の筋肉(内転筋)が弱いと、脚が外側に開きやすくなり、O脚が助長されることが多いです。
・運動不足や加齢
筋力の低下や関節の柔軟性の低下が起こると、正しい姿勢を保ちにくくなり、O脚が進行しやすくなります。
特に運動不足や加齢により下半身の筋力が弱まると、膝に過剰な負担がかかりやすくなります。
・遺伝的要素
体質的にO脚になりやすい骨の配置を持つ方もいます。
遺伝的な骨の構造が影響し、家族にO脚の方が多い場合には注意が必要です。
O脚と変形性膝関節症の予防
変形性膝関節症の予防には、膝の負担を軽減し、筋力を維持することが重要です。
特に、O脚の人は膝の内側に負荷がかかりやすいため、膝の内側を支える筋肉を強化することが重要です。
具体的な予防法を紹介します。
・膝周りの筋肉を鍛える
膝を支えるためには、大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)やハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)など、膝の周りの筋肉をバランスよく鍛えることが大切です。
これらの筋肉が強化されると、膝の関節を安定させ、関節軟骨や半月板への負担を軽減できます。
また、O脚の人に特に重要なのが、太ももの内転筋(太ももの内側の筋肉)です。
解剖学的には、内転筋群(大内転筋、短内転筋、長内転筋、恥骨筋、薄筋の総称)と呼ばれます。
この内転筋が弱いと脚が外側に開きやすくなり、O脚が進行しやすくなります。
内転筋を鍛えることで膝が外側に向かう力を抑え、O脚の進行を防ぐ効果が期待できます。
ここでは、内転筋を鍛える比較的簡単で道具も少なくて済むエクササイズを挙げてみます。
回数については、あくまで目安です。
体力や体調に合わせて調節してください。
1 内ももボールスクイーズ
方法
1 座った状態またはあお向けに寝て、両膝の間にクッションやまくら、ボールなど弾力のあるものを挟みます。
2 太ももに力を入れてしっかりと押し込み、5秒ほどキープします。
3 ゆっくりと元の状態に戻します。
回数
10〜15回×2〜3セット
ポイント
しっかりと押しつぶすように太ももの内側を意識し、力を均等に入れることが大切です。
このような専用のトレーニング器具も販売されています。
内転筋 トレーニング 骨盤底筋 効果が出る動画付き ダイエット器具 【公式】太もも 内転筋を鍛える 内転筋マルチトレーナー 【パーソナルトレーナー MIHOKO様より推奨】 【HIPPO REILLY】
2 スクワット
方法
1 足を肩幅より少し広めに開き、つま先をやや外側に向けます。スクワットは比較的強度が高いので、膝の痛みが強い場合や体力に不安がある場合は、いすや机につかまって行いましょう。
2 背筋を伸ばし、内ももを意識しながら腰を落とします。
3 ゆっくりと膝を伸ばして立ち上がります。
回数
10〜15回×2〜3セット
ポイント
太ももの内側に負荷がかかるように意識しながら、ゆっくりと動作することが重要です。
なるべく膝がつま先より前に出ないように注意しましょう。
・適切な姿勢を意識する
足を組む、片足に重心をかけるといった姿勢の癖は、膝や骨盤に負担をかけて、長い目で見るとO脚の原因となる可能性があります。
まずは、太ももの内側の筋肉をよく意識します。
そして、まっすぐに立ち、体重を両脚に均等にかけるイメージを持つことで、膝にかかる負担を軽減できます。
歩くときも同様に太ももの内側の筋肉を意識します。
こうした習慣を身に着けると無意識にできるようになりますので、ぜひお試しください。
・適度な運動を取り入れる
膝に優しい運動を習慣化することで、筋力を維持し、関節の柔軟性を保つことができます。
特にウォーキングや水中運動などの膝に過剰な負担がかからない運動が効果的です。
・体重の管理
体重が増えると膝への負担が増し、関節へのダメージが大きくなります。
適正体重を維持することで膝への負担を軽減できるため、体重管理は膝の健康を保つためにも重要です。
まとめ
変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がすり減ることで起こる疾患で、特に中高年の女性に多く見られます。
膝に強い負担がかかることで発症しやすく、日常生活に支障をきたすこともあります。
O脚は膝の内側に過剰な負担をかけ、変形性膝関節症のリスクを高める要因となります。
変形性膝関節症の予防には、膝まわりや太ももの内転筋を鍛えることが重要で、これにより膝の内側にかかる負担を減らすことができます。
また、姿勢の癖や生活習慣を見直し、膝に優しい運動を習慣化することも効果的です。
さらに、適正体重を維持することで、膝にかかる負担を減らし、関節を健康に保つことができます。
特に、普段から太ももの内側の筋肉を意識することが、シンプルですがとても大切です。
O脚や変形性膝関節症に悩む方は、ぜひ今回紹介した内容を参考にしてみてください。
適切な対策を行うことで、痛みのない快適な生活を目指しましょう。