呼吸は酸素を取り込んで二酸化炭素を排出する、人間にとって必要不可欠な機能です。
呼吸は鼻呼吸と口呼吸に大別できます。
「口呼吸よりも鼻呼吸の方が身体によい」という話しを聞いたことはないでしょうか?
実際、鼻呼吸にはメリットが多く、特に重要なのが、吸った酸素の温度と湿度を調節する機能です。
鼻の中の空気の通り道である鼻腔には小さな血管が豊富に存在しており、この血管を通る血液の熱によって外気を体温に近い温度まで加熱します。
この機能は特に寒い地域や季節での体温維持に役立ちます。
また、鼻腔は粘膜で覆われており、この粘膜が外気を適度に加湿します。
このように鼻から吸い込んだ酸素は加熱と加湿が行われているため、口から吸う場合よりも肺をより効率的に運用して質の高い呼吸をすることができます。
ところで、鼻呼吸には鼻から吸って口から吐く方法と鼻から吸って鼻から吐く方法があります。
口から吐くか鼻から吐くかで、効果に違いはあるのでしょうか?
基本的には息を吐き出すのは二酸化炭素を排出するのが目的なので大きな違いはありません。
ただし、鼻から吸って鼻から吐き出す方がよりゆっくりとしたリズムの精密な呼吸になります。
ゆっくりとした呼吸は副交感神経を活性化するので、ストレス対策や深い睡眠には鼻から吸って鼻から吐き出す方法がおすすめです。
実際、ヨガや瞑想法では鼻から吸って鼻から吐き出す呼吸法を勧めていることが多いです。
とはいえ、普段口呼吸で過ごしている方がこの呼吸法を行うと、息苦しさを感じてなかなか難しいと思います。
口呼吸に慣れている方は、まずは鼻で吸って口から吐き出す鼻呼吸から始めてみるのがお勧めです。
鼻呼吸は慣れなので、最初は息苦しく感じても続けているうちにいつの間にか無意識でできるようになります。
ただし、鼻がひどく詰まっている場合はどうしても息苦しさが残るため、口呼吸を行いましょう。
私たちの身体には使わずに能力を活かせていない機能や役割も多いです。
普段口呼吸をしているという方は、ぜひ鼻呼吸のメリットを引き出してみてください。