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先日、映画「スーパーマン」を観てきました。
以下、ネタバレありの感想になります。
ジェームズ・ガン監督
本作の監督は、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズや「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」のジェームズ・ガンです。
スーパーヒーロー物をよく扱っている監督ではありますが、どちらかというと直球のヒーローというよりもアウトサイダー的な集団ヒーローを得意としている印象です。
そのため、優等生的な単独ヒーローであるスーパーマンを監督するとのことで、ぼくとしては期待よりも不安の方が大きかったです。
ですが、スーパーマン以外のヒーローや複数の悪役、愛犬クリプトといった多彩なキャラクターを登場させることで、集団ドラマとしての側面を持たせ、スーパーマンを描きながらも、うまく自分の得意分野に引き込んでいます。
また、スーパーマンの生い立ちや新聞記者という設定、恋人のロイス・レインとの出会いといった、ある程度お約束になっている設定は、大幅に説明を省略しています。
その結果、クラークとロイスの恋愛や悪役レックス・ルーサーの掘り下げが丁寧に描けています。
新しいスーパーマン
本作でデヴィッド・コレンスウェット演じるスーパーマンは、SNSの誹謗中傷に苦しんだり、恋人と喧嘩したりと、庶民的な側面が強調されている印象で、この辺もジェームズ・ガン監督らしいですね。
個人的には、スーパーマンにはもう少し超然としたオーラのようなものが欲しいかなとも思いますが、超人であっても人間と同じように悩みを抱えているという点で、感情移入しやすくなっていると思います。
クリプトに振り回されるシーンも困りながらも楽しそうで、印象に残ります。
宿敵レックス・ルーサー
本作のもう1人の主役ともいえるのが、スーパーマンの宿敵であるレックス・ルーサーです。
世界最高レベルの頭脳を持つ億万長者ですが、それゆえに、超人であるスーパーマンに対して憎しみと憧れをあわせ持っています。
原作のルーサーというキャラクターは、必ずしも完全に悪とは言い切れないところも魅力だと思うのですが、本作でもそうした設定がうまく生かされています。
劇中では、スーパーマンが実の親から受け取ったメッセージが「地球の支配者になれ」だったことを知り、ルーサーが社会にスーパーマンの危険性を訴えます。
一般的な作劇では、両親からのメッセージは悪役が作った偽物で、悪役がヒーローの名誉を傷つけようとする展開になりそうなものですが、本作ではあくまでメッセージは事実であり、ルーサーの主張にも一理あるといえます。
そのメッセージにショックを受けたスーパーマンが、育ての両親との対話で、ヒーローとしての自信を取り戻すという展開も良かったです。
余談ですが、ルーサーがスーパーマンに抱く感情は、バットマンがスーパーマンに抱いている感情に近いものがあるように思います。
映画「バットマン VS スーパーマン ジャスティスの誕生」では、スーパーマンを危険な宇宙人とみなすバットマンがスーパーマンに闘いを挑みましたが、超人に近い人間であるバットマンやルーサーにとって、本当の超人であるスーパーマンはやはり気になる存在なのかもしれません。
現代性
本作では、SNSが大きな影響力を持っていたり、領土への侵入、ドローンの使用といった現代的な要素が積極的に取り入れられています。
古典的なヒーローであるスーパーマンを、若い客層やスーパーヒーローものに興味がない客層にもアピールしようという試みはかなりうまくいっているように思われます。
スーパーマンの悪評をSNSに流しているのが、ルーサーが飼っているサルだったというのも、ジェームズ・ガン監督らしい皮肉が効いていておもしろかったです。
マン オブ スティール
本作と比較されがちなのが、2013年に公開されたスーパーマン映画の「マン・オブ・スティール」でしょう。
「マン・オブ・スティール」は、惑星クリプトンの描写やゾッド将軍とスーパーマンとの戦闘シーン、ハンス・ジマーの壮大なスケールのサウンドなど、非常に見どころが多く、ぼくの大好きな映画です。
「マン・オブ・スティール」でヘンリー・カヴィルが演じたスーパーマンは、どこか超然としていて神に近い雰囲気を感じさせます。
その意味で、親しみやすい好青年感のあるデヴィッド・コレンスウェットのスーパーマンとは、対照的です。
個人的には、マーベルの庶民的なヒーローに対して、DCヒーローの魅力は超然とした存在感だと思っています。
ですが、これは好みの問題であり、同じヒーローに様々な解釈があるのも良いことだと思います。

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まとめ
本作は魅力的なキャラクターと現代性のある設定で、スーパーマンとDC映画を再スタートした作品です。
SNSを見ていると、アメコミファン以外からの反応も好評で、ファン層の拡大というDCの狙いは大成功といえます。
本作に登場したジャスティス・ギャングやスーパーガールといったキャラクターを今後、どう展開してくのかも楽しみですし、DCらしい影のあるストーリーも観てみたいです。
ジェームズ・ガン監督の手腕に今後も期待したいと思います。

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