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ゴジラ-1.0 感想

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先日、映画ゴジラ-1.0(マイナスワン)を観てきました。

以下、ネタバレありの感想になります。

日本から生まれた怪獣映画というジャンルですが、怪獣映画の組み立てには独特の難しさがあると思います。

怪獣映画である以上、怪獣が出なければいけないわけですが、怪獣が出過ぎるとドラマ性が弱くなり、特撮ファン以外の一般の観客層への訴求力が弱くなってしまいます。

ゴジラ-1.0の山崎貴監督は、一般層へのアピールを重視して、この映画を完成させたのではないかと思います。

その仕掛けの1つが個性的な時代設定でしょう。

ゴジラ-1.0は1947年を舞台にしています。

1945年の第二次世界大戦終戦から間もない時代が舞台です。

第1作の「ゴジラ」が1954年の公開であり、1作目よりも前の時代を扱っていることになります。

後にゴジラと何度も戦うことになる自衛隊は、1作目と同じ1954年に設立されており、今作の時点ではまだ存在していません。

また、アメリカ軍もソビエトを刺激したくないという理由でゴジラを攻撃することができず、日本は戦後の混乱した状況で民間人が中心になって、ゴジラと戦うことになります。

この時代設定が映画に独特の緊迫感をもたらしています。

登場人物も個性的です。

神木隆之介が演じる主人公の敷島浩一は、特攻隊から逃げて生き延び、島で遭遇した、後にゴジラとなる生物との戦いでも仲間を見殺しにしたことに深い負い目を感じています。

敷島の重い設定と複雑なキャラクターが、本作を怪獣映画に興味のない人にとっても、感情移入しやすくしています。

繊細な敷島を演じた神木隆之介の取りつかれたような演技が素晴らしいです。

また、敷島が出会う浜辺美波が演じる大石典子や彼女が他人から託された赤ん坊の明子との疑似的な家族関係も、戦後の混乱という時代背景を活かしながら、恋愛ドラマの要素をうまく組み込んでいます。

一方、本来の主役であるゴジラですが、出番自体はあまり多くはありません。

ですが、木造の小型船をゴジラが追いかける場面など迫力のあるシーンが多く、ゴジラの凶暴さが存分に描かれています。

もう少しゴジラが暴れるシーンが見たかったとは思いますが、いい意味でゴジラが人間ドラマの脇役になっている印象です。

従来のゴジラ映画を思わせるシーンも多いのですが、特に吉岡秀隆が演じる野田健治が、対ゴジラ用の作戦を説明するシーンが、怪獣映画に出てくる博士によるもっともらしい説明感にあふれていてとてもよかったです。

さて、ゴジラの攻撃による爆風から奇跡的に生き残った大石典子の首筋には黒いあざがありました。

今回のゴジラは超強力な再生能力を見せており、このあざが第17作目の「ゴジラvsビオランテ」から登場したゴジラ細胞に近いものであると予想できます。

爆風で吹き飛んだ典子は、偶然ゴジラ細胞と融合して、その再生能力によって助かったのではないでしょうか。

すると、今後の展開としてビオランテのような怪獣となった典子がゴジラと戦うという可能性も有り得ます。

リアル指向の本作からはかなりの方向転換になりますが、こうした何でもありの自由な展開も怪獣映画の魅力だと思うので、ぼくは観てみたいですね。

今作は、独特の時代背景や個性的な登場人物によって、特撮ファン以外の観客にもアピールできる魅力を充分に持っています。

ゴジラや怪獣映画に興味がないという方にもぜひ観ていただきたい作品です。


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ゴジラ伝説 [ 井上誠 ]
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